イオン株式会社
第82期 株主総会:2007年5月11日(金)

イオンの株主総会に、お客さま株主の一人として出席してきた。イオンの総会は2004年にも参加。今回は2回目の出席となる。

当日は強風の影響で一部の電車に遅れや、折り返し運転の影響が生じたものの、総会は予定通り10時より開始された。

VTRを活用した事業報告、決議事項の採択など、主要な項目は30分程度で終了。その後、岡田社長より、経営方針の説明がされ、質疑応答の時間となった。

今回は経営方針、質疑応答の内容、総会後の懇親会の様子を簡単にお届けします。これから総会を控えているご担当者様もぜひご参考に…。

=岡田社長から経営方針の説明=

『増収増益を達成、営業収益はこの10年で2倍、営業利益は3.7倍に。他社にはない強みを持っている、刻々と変化する環境、変化に対応させ、今後も更なる成長をさせたい』

●ショッピングセンターの戦略=『中国事業を国内事業と並ぶ大きな柱としたい』=

イオングループは日本のショッピングセンターの1/4を占めており、モール型では70%を超えるシェアとなっている。運営面では、デベロッパー事業を不動産業からサービス業に変えたと自負している。8月にダイヤモンドシティとイオンモールを合併させるが、事業を集中させ、競争力を高めるとともに、新たらしいモール型ショッピングセンターを70箇所、2010年では100箇所以上の体制へと進めたい。100箇所体制で、3兆円、来店客数は10億人の規模となる。

中国への拡大展開を図りたい。中国のGDPは年10%に迫る勢いで、日本におけるかつての高度成長期。中国ではデベロッパー事業は不動産業にとどまっているが、小売発サービス業の立場で、中国にこの戦略を持ち込みたい。総合スーパー、専門店など、グループ各社を中国へ進出させたい。オリンピックまでに北京に大型SCの進出をしたいと考えている。中国事業を国内事業と並ぶ大きな柱としたい

●総合金融事業の展開

イオンカードの顧客は1000万人、大半が主婦の方。日本の4400万世帯のこの主婦の大半はイオンカードをお持ち。クレジットカード業界の再編も進み、小売のカードはイオンだけ。イオンクレジットのさらなる成長、電子マネーWAON、イオン銀行の開業が成長の柱となる。

イオンクレジットは、国内1400万人の顧客資産、中国での信用保証事業の拡大、アジアでの新たな国への展開、また国内で年間10店以上の新規出店計画もあり、引き続き成長が見込まれる。海外の利益はイオンクレジットの30%を占めており、大きな優位性を持っている。

電子マネーの展開については、日本のショッピングセンターの1/4をもち、その中の2万3千件のテナントにも導入し、外部企業や商店街、行政との提携も進めていきたい。ぜひWAONをご愛顧下さい。

イオン銀行は2007年秋の設立を目指し、従来の銀行のイメージを変えたい。ローンや保険も用意し、AEONならではの売場と連動したサービスにも取り組みたいと考えている。

●トップバリュの展開について

差別化商品と位置付け、自社開発を進めてきた。2200億円の取り扱いとなり、国内で最大のPB商品となった。あらゆるつながりが増え、トップバリュ商品の開発を通して自治体に地域振興を期待されることもある。またAEONと組んだほうがよいというNBメーカーも増えてきている。またトップバリュ商品が良いからAEONと提携したいというスーパーマーケットも少なくない。今後は3倍の7500億円の取り扱いを目指す


=質疑応答=
Q:鎌取店について、昨年の総会で駐車場から店舗へのドアが開けっ放しで、エネルギーの無駄だと話したところ、自動ドアに変えて頂いたが、10月から自動ドアを開けっ放しにしている。なぜ開けっ放しにしているのか?エネルギーの無駄ではないか?

A:早急に事実確認を行う。1週間以内には、改善をさせていただく。

Q:身体障がい者用の駐車場設備が店舗により異なっている。木曽川店では、タイヤがロックされ、磁気カードでロックが解除される。岐阜店では、インターホンでガードマンを呼び、入口を開錠してもらう。大垣店では、リモコンでゲートをあける方式。既存店舗の改修では、リモコン式への統一をしてほしい。

A:リモコン式がいいと思っている。また高齢者のもみじマークについても、07年に標識掲示義務化が閣議決定され、近く施行もされますので、もみじマーク専用の駐車スペースも作っていきたいと考えている。もうしばらくお時間をいただきたい。

Q:株価が軟調とのお話があったが、株価対策としての重点項目を教えてほしい/埼玉の神保原のジャスコが閉店し、建物がそのままになっている。近隣へジャスコ出店のうわさがあるが、どうなのか?

A:投資家の期待は更に高まり、それに十分答えられなかった。あらたな事業展開、タイムリーな情報提供を行っていきたい。また、ROEの向上を目指したい。/神保原は、やむなく退店し、現在の建物はオーナーさんが検討している。周辺への出店は計画が進行しているが、協議、調整があり、具体的に発表できる段階ではないが、AEONグループとして出店できると考えているので、OPENのあかつきには、積極的にお買い物を!

Q:総会の受付でWAONカードをもらった。オーナーズカード(株主優待・後日キャッシュバックのカード)はキャッシュバックがありますが、WAONカードはポイントくらいがメリットか?オーナーズカードは家族カードがあるが、WAONにはあるのか?


A:説明不足で申し訳ありません。積極的に広めていきたいと配布させていただきました。クレジットは自ら取り組んできましたが、一方でクレジットを好まないお客さまもいらっしゃるのが事実です。現状一部の若者や交通機関が利用の中心となっている電子マネーですが、イオンクレジットは7割が女性で電子マネーは男性の利用が多かったのが現状。30−50代の主婦の方にぜひ利用していただき、より便利に提供したいと独自のWAONを開発しました。

Q:50代の主婦です、ぜひWAONを利用したいと思いますが、オーナーズカードとの兼ね合いは?


A:現状、オーナーズカードとWAONのシステム統合ができておりません。両方のベネフィットを取れるようにしていきたい。オーナーズカードは現状、現金のみでの取り扱い(キャッシュバック対象)だが、今後解決していけるよう検討していく。

Q:イオンSuicaカードも発行され、Suicaでも決済ができるようになりましたが、そこへ更にWAONカードの登場となりました。Suica支払でオーナーズカード特典対象とする予定は?


A:Suicaとオーナーズカードとの併用は考えておりません。何卒WAONを積極的にお使いくださいませ。

Q:なぜジャスコが6兆円企業になれたか、さわりだけでも岡田社長から聞きたい。


A:大変重い質問を頂き、困っておりますが・・・ただひとつ、この会社がバブルにひっかからなかったこと。セゾンの西友、そごう、ダイエー、マイカル・・など、バブルで沈没した。小売に専念し、不動産に手をつけてない、、、当時の経営陣に感謝している。今後とも、革新的でありたいと思うが、慎重な経営をしていきたい。



=株主懇親会 会場の様子=
  総会後の懇親会には、近隣店舗の店長も出席し、日頃の利用客の意見に耳を傾けていた。

●AEONの電子マネーWAON(ワオン)の特設コーナー http://www.waon.com/

今回の総会に出席した株主には、受付でWAONカードが配布された。
懇親会会場にもWAONの特設コーナーが設けられた。

●衣料品・住居余暇商品コーナー

●会場の片隅では、店舗でおなじみのクッキングステーションの実演も…。
AEONグループとなったオリジン弁当のほか、トップバリュのREADY MeaL商品のセルフ試食コーナーなどが設置されたほか、トップバリュ・グリーンアイのうなぎをつかったひつまぶしなども提供された。

また、AEONグループのミニストップのソフトクリームには、長蛇の列ができた。
 

作成:札幌スーパーマーケット情報 http://www.spk-super.com/ 2007.05